『三銃士』アレクサンドル・デュマ 著 長島節 挿絵 生島遼一 訳 岩波少年文庫
名作と言われるものは、とりあえず何でも読んでみようと思ってチャレンジしてみました。
ルイ１３世の時代。田舎貴族のダルタニャンは、立身出世を夢見てパリを目指しますが、けんかっ早いので、道中の宿屋でロシュフォールに喧嘩を売ってボコられます。その後、何とか同郷で今を時めく近衛銃士隊長のトレヴィルを頼ります。そこで知り合った銃士のアトス、ポルトス、アラミスと意気投合しました。ダルタニャンは下宿屋の奥さんのコンスタンスに恋をします。コンスタンスはアンヌ王妃の側仕えをしていました。枢機卿のリシュリューはアンヌ王妃を退けようと毒婦ミレディーを使い陰謀を巡らせています。ダルタニャンは、コンスタンスの為にアンヌ王妃を窮地から救う申し出をします。そこでアトス、ポルトス、アラミスもダルタニャンに協力して、バッキンガム公爵から首飾りを取り戻す危険な旅にでるのでした。
↑が上巻の大体のあらすじです。
三銃士に主人公が含まれていないってどういうことなんだろうと思いましたが、ダルタニャンが銃士になるのはもうちょっと後のことなので、しかたないのかもしれませんね。😅
想像よりハチャメチャな出だしは、ダルタニャンて色々と紙一重な人なんじゃないかと心配になるレベルでした。端折りましたが、アトス、ポルトス、アラミスともほぼ初対面で決闘の約束をしてますし、ギャグマンガみたいな展開でした。話が進んでくるとダルタニャンも落ち着いてきます。😆
『三銃士』の登場人物はみな個性的で魅力的ですが、特に悪役に見える人が素敵です。
例えば、リシュリューは陰謀を企んでいますが、私利私欲ではなく、フランスの為であり、実は優秀な政治家です。
ミレディーは完全な悪女ですが、主役を完全に喰っています。映画でミラ・ジョヴォビッチが演じるのも頷けます。もはや『三銃士』の陰の主役と言って良いくらいです。
話はテンポよくスピーディーに進みます。下巻のあらすじは割愛しますが、三銃士の絆の強さは、下巻のほうが良く描かれています。砦での密談と戦いのシーンが好きでした。私はアトス推しなもので、アトスが格好良く描かれています。🥰
そういえば私が読んだ『三銃士』では「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」というフレーズはありませんでした。ああこれのことだなと思う言葉はありましたが一回だけでしたので、そんなに頻繁に使われているわけではなかったのですね。👀
