見た目も性格もまったく違う二人の少女の友情の物語です。
(あらすじ)
遠子は小学校5年生の時の陸上部で、顧問から出場種目の変更を迫られました。好きな1,000m走から記録の伸びそうなハードル走に変われと言われたのです。押し切られて種目を変えた遠子でしたが練習は辛いものでした。そして、苦しい練習の末に待っていたものは、突然の競技の中止でした。割り切れない気持ちを抱えたまま走ることになった1,000m走で、遠子はアキレス腱を切ってしまいます。
深く傷ついた遠子に対して、顧問も母親も「ふてくされるな」と言いました。遠子は、大人の無神経さから自分の心を守る為に頑なになっていきました。
6年生になって遠子は陸上部を辞め、郷土研究部に入ります。そこへ転入生の千絵が入ってきました。遠子は、千絵のおばあちゃんから仲良くしてくれと頼まれたこともあって、自分がいるから千絵が入部したのではないかと構えます。しかし、それは杞憂で、千絵は化石に興味があって入部してきたのでした。
遠子と千絵は、タイプは一見正反対ですが、二人とも人の心に土足で踏み込まない誠実さを持っていました。千絵の率直な姿勢に遠子の心が少しずつほぐれていきます。
遠子は、洞察力からくるこだわりの強さを自分でも持て余して苦しんでいました。このこだわってしまう気持ちは、遠い日の自分にも覚えがあったなあとほろ苦く思いました。
